日本財団 図書館


 

第 4 章

CALS導入に関連する先進的事例


 

現在、国や業態を問わず、情報を電子的に管理するという動きは急速に進みつつあり、CALSはその効果的な活用形態として注目されている。しかし、現段階での日本のCALSの取り組みは、実験上での取り組みや、CALSの標準技術の採用といった部分的なものにとどまっている。ここでは日本国内の事例として、中央省庁、地方自治体、民間企業からCALSに結びつくと思われる先進的な取り組みの事例を紹介する。

一方、アメリカでは実際の業務改善や生産性の向上に結びついている事例も見られ、CALSの取り組みは実用段階に入っていると言える。その代表的なものを紹介する。

 

4−1 中央省庁の事例

 

中央省庁では、実際にCALSを導入しているといえる情報化推進を行っている事例はまだ存在しない。ここでは、CALSの効果と実用性を検証する試みであるNCALSと、特許庁におけるペーパーレスシステム(電子申請)を紹介する。これらのシステムは、将来CALSを導入するにあたっての実験、あるいは前段階としての試みとして行われていると考えられる。

 

4−1−1 NCALSの事例

 

NCALSは、正式名称を「生産・調達・運用支援統合情報システム(CALS)技術研究組合」という。1995年からの3年計画で、通産省の施策の一つとして実際にCALSを運用するという実証実験のシステムである。運用にあたっては、全ライフサイクルを通して、出来るだけ実業務に近い形で進めることとしている。その結果、CALSが実際にどのような効果をもたらすのか、標準技術の適用は妥当なのかなどについて検証する予定であるが、1997年1月現在ではまだ明確な結果は出ていない。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION